文系DXスタジオ AMUのDXスタートアッププランは「業者に丸投げして、結局誰も使わなくなるシステム」を作るものではありません。 優秀なAI(Gemini)や使い慣れたWord、スマホで動くLINEを使い、 「自社で情報発信をコントロールする力」を身につけていただく伴走型インハウス支援モデルです。
いよいよ連載の最終回です。これまでAI、Word、そして印刷による「インハウス広報の基盤」を構築してきました。その総仕上げとして、最も生産性を高める手法が「プレスリリース兼チラシ」の同時制作です。
本来、メディア向け(プレスリリース)と顧客向け(チラシ)は書き分けるものですが、中小事業者の現場では、その手間が新商品投入のスピードを遅らせます。AIを活用すれば、一つの「核となる構成案」から両方の媒体を数十分で作成可能です。
1. 「1粒で2度美味しい」構成の核を作る
メディアと顧客、どちらにも共通するのは「なぜ今、この商品が必要なのか?」という『ニュース性』と『ベネフィット』です。
AIに以下のプロンプトで「共通原稿」を作成させます。
【プロンプトの要点】 「[新商品名]のローンチにあたり、プレスリリースとチラシの両方に使える共通の構成案を作成してください。以下の要素を網羅すること。
市場の課題(なぜ今必要なのか)
商品が解決する具体的ベネフィット
開発の背景にある『想い』や『ストーリー』
客観的な数値データや根拠(あれば)」
2. 「プレスリリース版」と「チラシ版」への変換術
AIが出力した共通原稿を、Wordのテンプレートに流し込むだけで2つの媒体に仕立てます。
プレスリリース版(Wordでフォーマルに): 「報道関係者各位」というヘッダーを付け、客観的な事実(製品仕様、販売価格、発売日)を強調します。AIに「です・ます調」ではなく「だ・である調」へ変換させれば、そのままメディア向けの公式文書になります。
チラシ版(Wordでキャッチーに): 同じ情報を使いつつ、第14回で学んだ「PREP法」のPoint(結論)をキャッチコピー化し、デザインを重視します。AIに「お客様の心に刺さる口語体のコピー案を5つ出して」と追加指示すれば、見出し部分は完成です。
3. 「即座に印刷・配布」のスピード戦略
この手法の最大の利点は、「情報の鮮度を落とさないこと」です。
AIで核となる構成案を作る(10分)
プレスリリースを作成し、地域メディア・SNSへ発信(15分)
同じ内容をチラシテンプレートに流し込み、ネット印刷へ入稿(30分)
このプロセスを合計1時間以内で完結させます。メディアからの問い合わせ対応をしている間に、印刷会社からチラシが届く——。この「同時多発的なスピード感」が、新商品の認知を一気に高めます。
まとめ:持続可能なインハウス広報体制へ
全28回にわたり、AI・Word・印刷を組み合わせた「脱・丸投げDX」の術をお伝えしてきました。
重要なのは、「完璧なデザインよりも、届けるべき人に、一番必要なタイミングで情報を届けること」です。AIは思考を加速させ、Wordは形を整え、ネット印刷は物理的に届ける。このフローが定着すれば、皆さんの事業は外部に頼らずとも、常に自分たちの言葉で顧客と繋がり続けることができます。
インハウス広報の旅は、ここからがスタートです。今日から、社内に眠るあらゆる情報を、このワークフローに乗せて「資産」に変えていってください。
「編集する力」こそが、これからのビジネスの最強の武器になります。ぜひ、実践を続けてください。
第21回:AI×Word×ネット印刷:企画から発注まで「最短3時間」で駆け抜ける超速販促モデル
概要: AIで原稿を作り、Wordで整え、ネット印刷に投げる。デジタルとアナログを繋ぐ最速ワークフローの全体像。
第22回:【プロンプト付】ChatGPTを優秀な「お抱えライター」にするチラシ構成案の作らせ方
概要: ターゲット、強み、割引情報を入力するだけで、刺さるチラシの原稿テキストを一瞬で出力させる実用プロンプト。
第23回:動画や音声、セミナー素材をAIで一瞬でドキュメント化!「情報の資産化(アセット化)」入門
概要: YouTube動画や録音データをAIで文字起こしし、WordのA4資料へ再編集して再利用するハイブリッド手法。
第24回:AIが出力した原稿をそのまま使ってはダメ?「人間の編集力」で魂を吹き込むリライト術
概要: AI特有の「薄っぺらい文章」を見抜き、自社らしさや事実(エビデンス)を肉付けして完成度を高める方法。
第25回:思い立ったらすぐ印刷!WordテンプレートとAI原稿をガッチャンコして即日入稿する技
概要: 事前に社内で用意したWordのベースデザインに、AIで作った新商品のテキストを流し込むだけの爆速オペレーション。
第26回:AIでブレストする!店舗ニュースレターの「おもしろコラム」のネタを100個出す方法
概要: 季節の挨拶、豆知識、業界裏話など、AIをアイデア出しの壁打ち相手として活用するテクニック。
第27回:Word DTP×AI生成画像の可能性。商用利用可能なAIビジュアルをチラシに活かす注意点
概要: 画像生成AIで作ったイラストや背景をWordに取り込み、アイキャッチとして活用する際のデザインと権利の基本。
第28回:新商品ローンチを加速する!AIで作る「プレスリリース兼チラシ」の1粒で2度美味しい制作術
概要: メディア向けと顧客向けを同時に満たすテキスト構成をAIで作り、Wordで即座に印刷・配布するスピード戦略。
第29回:リソースゼロの個人商店でもできる!AI伴走で実現する「週刊・月刊ミニコミ紙」の自動化プラン
概要: 忙しい店主でも、LINEやAIを活用して素材を集約し、瞬時に地域向けの紙面(PDF・印刷物)を作成する未来像。
第30回:テクノロジー(AI)と普遍的なツール(Word)で創る、これからの時代の中小企業広報戦略
概要: まとめ。道具が進化しても変わらない「伝える」ことの本質と、それらを伴走型で支援するスタジオの役割。