文系DXスタジオ AMUのDXスタートアッププランは「業者に丸投げして、結局誰も使わなくなるシステム」を作るものではありません。 優秀なAI(Gemini)や使い慣れたWord、スマホで動くLINEを使い、 「自社で情報発信をコントロールする力」を身につけていただく伴走型インハウス支援モデルです。
第2章:課題定義
「いくら求人サイトに広告を出しても、応募が来ない」 「面接に来ても、こちらの期待するような人材とマッチングしない」 「せっかく採用しても、すぐに辞めてしまう」
山口市で事業を営む多くの経営者から、切実な「採用難」の相談を受けます。しかし、現場で深く話を聞いていくと、その正体は「採用市場の冷え込み」ではなく、「自社の魅力が、求める人材の心に届く言語で発信されていない」という広報的な問題であることがほとんどです。
本稿では、「採用できない」という経営課題を、自社の価値を再定義する「採用広報」の課題へと変換し、根本解決を目指すための論理を紐解きます。
1. 採用を「募集」ではなく「物語のプレゼン」と定義する
なぜ、地方企業の採用活動はうまくいかないのでしょうか。その最大の原因は、採用活動を「条件の提示(募集)」という枠組みでしか捉えていないからです。
現代の求職者、特に次世代を担う若手人材は、賃金や福利厚生といった「スペック」だけで会社を選びません。「この会社で働くことで、自分はどんな人間になれるのか」「この会社には、どんな面白い仕事や物語があるのか」という、個人のキャリアストーリーと会社の物語が重なるポイントを探しています。
経営課題としての採用、広報課題としての採用
採用できないという事態は、単なる人手不足(経営課題)です。しかし、これを「なぜうちの魅力が伝わっていないのか?」「どうすれば、うちで働きたいと思える物語を語れるか?」と変換した瞬間、これは「広報課題」に変わります。
採用広報とは、自社の理念、日常、そして将来への想いを、ターゲットとなる人材に向けた「手紙」として発信し続ける活動です。 多くの会社がこの手紙を書いていない、あるいは誰に宛てたか分からないチラシを撒いているために、採用に失敗しているのです。
2. 求める人物像を「理想」から「共感者」へシフトする
採用広報の第一歩は、「誰に伝えたいか」というペルソナを明確にすることです。しかし、地方企業にありがちな失敗は、都合の良い「理想の人材(完璧な即戦力)」を追い求めてしまうことです。
共感を呼ぶ「弱みの開示」
実は、完璧な会社を演じる必要はありません。むしろ、現在進行形で抱えている経営上の課題や、泥臭い努力の過程こそが、共感を呼ぶ最強の採用コンテンツになります。
「現在、私たちはDXを推進しており、悪戦苦闘中です。この変革を一緒に楽しみませんか?」
「老舗ゆえの古い風習を、今まさに刷新しようとしています」
このように、「未完成であること」をさらけ出すことこそが、変化を求める意欲的な人材にとって、絶好の挑戦の場に見えるのです。隠すのではなく、今のリアルを「編集」して提示する。これこそが、情報編集力が活きる場面です。
3. インハウスDXによる「自社メディア採用」の構築
求人サイトはあくまで「待ち」のメディアです。そこに掲載料を払い続けるだけでなく、自社のWebマガジン(Googleサイト等を活用した自社メディア)に、日々の活動をアーカイブしていくことが、最も強力な採用戦略になります。
なぜ自社メディアが採用に強いのか
価値観のフィルター: 貴社の日常(社員の働き方、仕事への姿勢)を記事として蓄積することで、読者(求職者)は自分自身と会社の文化が合うかどうかを、面接前に判断できます。ミスマッチの解消です。
物語の蓄積: 過去のプロジェクトの苦労や成功体験が記事として残ることで、求職者は「この会社には、こんな挑戦の歴史がある」と理解し、強い志望動機が形成されます。
資産化: 採用広告は掲載期間が過ぎれば消えますが、自社で発信した採用広報記事は、インターネット上に永続的に残り、将来の応募者への資産となります。
4. 経営者自身が「編集長」になるということ
採用広報を成功させる唯一の道は、経営者自身が採用の「編集長」となり、自社の物語を語り続けることです。
もし今、採用に悩んでいるなら、まずは次のアクションを取ってください。
「なぜこの会社で働くことは楽しいのか?」を、求人票ではなく、自社のサイトに1本のコラムとして書き上げてください。
「どんな人に来てもらいたいか」ではなく、「私たちはどんな未来を一緒に作りたいか」を語ってください。
MASAプランニングラボでは、採用広報の「型」を提供し、貴社の魅力を最大限に引き出すインタビューと記事化を伴走支援しています。採用は、企業の未来を形作る経営そのものです。外注に頼る「募集」から、自分たちの言葉で仲間を集める「採用広報」へ。この転換が、貴社の組織を根本から強くします。
結びに:人は「物語」に集まる
どんなに時代が変わっても、人は「魅力的な未来」や「共感できる物語」がある場所に集まります。山口市という場所で、貴社がどのような挑戦をし、どのような文化を築こうとしているのか。その姿勢を言葉にして発信すれば、必ず同じ志を持つ仲間と出会うことができます。
次回は、ブログやSNSを頑張っているのに、なぜか成果が出ないという「運用の仕組み」に関する落とし穴について解説します。
採用できないという悩みは、貴社がより魅力的な組織へと進化するための「成長痛」です。その痛み、一緒に物語に変えていきませんか?