文系DXスタジオ AMUのDXスタートアッププランは「業者に丸投げして、結局誰も使わなくなるシステム」を作るものではありません。 優秀なAI(Gemini)や使い慣れたWord、スマホで動くLINEを使い、 「自社で情報発信をコントロールする力」を身につけていただく伴走型インハウス支援モデルです。
「ネット印刷サイトが多すぎて、どこを選べばいいかわからない」 「安ければどこでも同じだと思っていたら、納期や仕上がりに差があった」
かつては印刷会社の営業担当者が「御用聞き」としてやってきて、細かい要望を調整してくれていました。しかし、内製化を進めるDX時代においては、「どのネット印刷会社を、どのような目的で使い分けるか」という選択眼そのものが、経営スキルの一部となります。
自社の販促物制作を円滑に進めるために、主要なネット印刷会社をどう使い分けるべきか、その判断基準を解説します。
1. ネット印刷を選ぶ4つのチェックポイント
ただ「安いから」だけで選ぶと、いざという時に困ることがあります。以下の4つの軸で自社のニーズを整理しましょう。
① 納期(スピード): 「翌日配送」は当たり前ですが、その締め切り時間が何時か?によって、業務の余裕が全く違います。当日入稿の締め切りが早い会社と、夜まで受け付けてくれる会社では、現場の作業しやすさが段違いです。
② 用紙のバリエーション: チラシなら一般的な「コート紙」で十分ですが、パンフレットやショップカードで「少し高級感を出したい」「特殊な紙を使いたい」と思ったとき、用紙の選択肢がどれだけあるかが鍵になります。
③ サポート体制(データチェック): Wordでのデータ入稿に不安がある場合、入稿後にプロがデータ不備を丁寧に指摘してくれる(あるいは自動で修正してくれる)サポートが手厚い会社は、初心者にとって安心のパートナーです。
④ 価格体系: 「常に安い会社」と「急ぎ便が安い会社」など、各社には強みがあります。定期的なチラシなら低価格なところ、ここぞという時のパンフレットなら品質重視のところ、と使い分けるのが賢い運用です。
2. 「二社体制」で使い分けるプロの運用法
ネット印刷を使いこなす企業は、1社に絞らずに「メイン」と「サブ」の2社を登録して使い分けるのが基本です。
メイン印刷会社(スピード&コスパ重視): 日常的なチラシや配布用ニュースレターなど、とにかく安く、速く刷りたいもの。入稿システムが使いやすく、納品が早い大手のネット印刷(例:ラクスルなど)を使い、業務フローを固定化します。
サブ印刷会社(品質&多様性重視): 周年記念のパンフレット、高級感を出したいDM、名刺など、「ちょっとこだわりたい」時専用の会社。用紙サンプルを無料請求できるところや、特殊な加工(箔押しや型抜き)が得意な会社を1つ持っておくと、表現の幅が広がります。
3. 「営業マン」がいなくても困らない理由
「印刷会社の営業マンがいなくて、相談先がないのが不安」という声も聞きます。しかし、ネット印刷のサイト上には、Word入稿に関する詳細なヘルプや、テンプレートが溢れています。
むしろ、営業担当者を待つ時間で、ネット上の最新情報を検索したほうが圧倒的に早く答えに辿り着けます。「検索する力」こそが、印刷営業マンに代わる最強の相談相手なのです。
4. まずは会員登録と「サンプル請求」から
ネット印刷選びで最も確実なのは、各社の無料の「用紙サンプル」を請求することです。ネットの画面上では分からない「紙の厚み」や「色の乗り方」は、実物を見るのが一番の正解です。
自社が作るチラシには、どの厚みが適しているか?
この会社は、どのような仕上がりになるか?
これを把握しているだけで、発注時の失敗はほぼゼロになります。
まとめ:道具を選ぶのも「編集力」の一部
どのネット印刷を選ぶかという選択は、デザインの一部です。「スピード優先」か「品質優先」か。その判断を自ら行い、ツールとして使いこなすこと。このプロセス自体が、皆さんの「内製化力」を確実に底上げします。
次回は、いよいよこの連載のまとめとして、孤立しがちな社内担当者を挫折させないための「伴走型支援」の役割と、これからの時代を生き抜く「広報ロードマップ」をお届けします。
主なターゲット: 経営者、DX推進責任者、総務・マーケ責任者 ゴール: 外注依存のリスクに気づき、Wordによるインハウス化を「経営戦略」として捉えてもらう記事です。
第1回:なぜ今、販促物の「脱・丸投げ」が必要なのか?中小企業のDX最前線
概要: 変化の激しい時代に外注任せにするタイムロスとコストの弊害、内製化がもたらす経営の俊敏性(アジリティ)。
第2回:チラシ1枚の修正に数日・数万円…その「隠れコスト」をゼロにする方法
概要: 修正依頼の往復で発生する時間ロスと追加費用の構造を暴き、自社運用の経済性を解説。
第3回:デザインソフトは不要!「使い慣れたWord」が最強のDXツールである理由
概要: Adobe製品などの高額ライセンスや学習コストの壁を崩し、WordがビジネスDTPに最適な理由を証明。
第4回:【事例】デザイン外注費を年間100万円削減した企業が取り組んだ「3つのこと」
概要: 実際の削減シミュレーションを交え、外注からネット印刷+Wordへスムーズに移行したステップを紹介。
第5回:安かろう悪かろうは過去の話。ネット印刷のクオリティを引き出すデータ作成術
概要: ネット印刷(印刷通販)の仕組みと、Wordから安全にPDF入稿するための基本知識。
第6回:販促費を「ケチる」のではなく「資産化」する。文系DXがもたらすリスキリング効果
概要: 社員がWord DTPと情報編集を学ぶことで、社内に一生物のスキルとテンプレート資産が残るメリット。
第7回:求人募集・採用パンフレットこそインハウス化すべき!熱量が伝わる自社制作のすすめ
概要: 外部のライターには書けない「自社の本当の魅力」を、内製だからこそスピード感を持って発信する手法。
第8回:「デザインが素人っぽい」から脱却する、Wordレイアウト4つの基本原則
概要: 整列、近接、反復、コントラスト。ノンデザイナーでも即実践できる、Wordをプロっぽく見せるルール。
第9回:印刷会社の営業マンに頼らない!自社に最適なネット印刷会社の選び方
概要: 納期、用紙、価格帯、サポート体制など、企業のニーズに応じた主要ネット印刷の使い分け。
第10回:文系社員が主役に変わる。伴走型スタジオと進める「失敗しないインハウス化」のロードマップ
概要: 孤立しがちな社内担当者を挫折させないための、ステップアップ型伴走支援の価値。