文系DXスタジオ AMUのDXスタートアッププランは「業者に丸投げして、結局誰も使わなくなるシステム」を作るものではありません。 優秀なAI(Gemini)や使い慣れたWord、スマホで動くLINEを使い、 「自社で情報発信をコントロールする力」を身につけていただく伴走型インハウス支援モデルです。
これまでの記事で「印刷会社がデジタルビジネスを構築すべき理由」と「地域密着メディアというビジネスモデル」についてお話ししてきました。しかし、読者の皆様の中には、心の中でこう叫んでいる方がいらっしゃるはずです。
「理屈はわかった。でも、結局どうやってプログラムを書けばいいんだ!」
そうですよね。多くの印刷会社にとって、GAS(Google Apps Script)は未知の領域。しかし、安心してください。今日から使える「魔法のテンプレート」を用意しました。
今回は、飲食店からの「ランチ情報をフォームで受け取り、スプレッドシートへ自動保存し、LINEやメールで通知する」という、マッチングメディアの心臓部を動かします。
プログラミングへの「怖さ」を捨てる
GASは、プロのエンジニアが書く複雑なソフトウェアではありません。私たちが日常的に行っている「コピー&ペースト」と「ルール設定」の組み合わせです。
今回作成するのは、以下のシンプルな流れを自動化するプログラムです。
店主がGoogleフォームで「今日のランチ」を入力する。
そのデータがスプレッドシートの「データベース」に記録される。
同時に、登録されたユーザー全員に「本日のランチ情報」がメールで配信される。
魔法のコード:これが「マッチング」の正体だ
以下のコードを、スプレッドシートの「拡張機能」>「Apps Script」という画面にコピー&ペーストするだけで、あなたのスプレッドシートは「自動送信システム」に進化します。
なぜこれが「最強の武器」なのか?
このコードがわずか10行程度であることに驚かれたでしょうか。これが、DX時代の「開発」のリアルです。
コストゼロ: サーバー代も開発費も、一切かかりません。
即時性: 店主がフォームを送信した瞬間に、プログラムが走り、ユーザーにメールが届きます。
拡張性: このコードに「予約システム」や「クーポン発行機能」を追加していくことで、独自メディアへと成長させることができます。
実装の壁を突破するための「3つの心得」
初めてコードを触る印刷営業の皆様へ、挫折しないためのコツをお伝えします。
「動くこと」だけを目指す: 最初から綺麗なコードを書こうとしないでください。まずはサンプル通りに貼り付けて、メールが届くことだけを確認しましょう。それが成功体験になります。
AI(ChatGPTなど)を「専属プログラマー」にする: 「GASでスプレッドシートの値を読み取ってメールを送るコードを書いて」とAIに聞けば、今の何倍も詳細なコードを教えてくれます。自分で書くのではなく、AIに書かせて「編集する」のが現代のDXです。
まずは「自社内」で実験する: いきなりクライアントに提案せず、まずは社内の会議通知やランチ会の連絡でこの仕組みをテストしてください。自分たちが便利だと確信して初めて、自信を持って提案できるはずです。
「仕組み」を作る側に回るということ
これまで、印刷会社は「刷る」という工程に責任を持ってきました。これからは「システムを動かす」という工程に責任を持ちます。
コードを書くことは、新しい言語を学ぶようなものです。最初は戸惑うかもしれません。しかし、この数行のコードが、印刷営業という「人間関係の力」と掛け合わされた時、あなたの営業エリアには「デジタルで常に最適化された地域経済」が生まれます。
次回予告:AI活用で「営業トーク」をシステム化
さて、システムの仕組みを理解したところで、次は「人間」の話をしましょう。 どんなに素晴らしい仕組みがあっても、提案する営業マンのトークがバラバラでは意味がありません。
次回は、AIを活用して「ベテラン営業マンの思考を標準化する」手法について解説します。 「誰が担当しても同じクオリティのDX提案ができる」。そんな組織を作るための秘密兵器をお伝えします。
【今回のポイント】
GASは難しいものではなく、コピー&ペーストで始められる「自動化の魔法」。
10行程度のコードでも、情報を自動で送信・共有する立派なシステムになる。
まずは社内で試し、AIを活用して自分流にアレンジすることで、誰でもエンジニアのような成果が出せる。
次回、「AI活用で『営業トーク』をシステム化」へ続きます。